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「俺もやった方が早よ終わってその分一緒

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「俺もやった方が早よ終わってその分一緒

「俺もやった方が早よ終わってその分一緒におれる時間も増えるけぇいいそっちゃ。何手伝えばいい?」

 

 

「えっと……サヤさんに聞いてから……。」

 

 

「そうか,そしたらサヤさんとこ行くか。」

 

 

にっと歯を見せて笑うと三津の腰に手を回して歩き出した。

高杉に触れられた三津の体はブルっと震えて全身粟立った。

 

 

「ひっ!触るのアカン!!」 瘦小腿原理

 

 

条件反射の平手打ち。派手な音と共に高杉の左頬には赤い手形。

 

 

『やってもたっ……!!』

 

 

「ごめんなさっ……!」

 

 

瞬時に謝罪の言葉を口にしたけれど最後まで言う前に高杉の手で口を覆われた。

 

 

「すまんすまん,触らんって約束やったな。俺が悪かったけぇ謝らんでええぞ。」

 

 

いやぁいい平手打ちするのぉと笑いながら高杉は三津の前を歩き出した。

 

 

『今日の高杉さん怖い……。』

 

 

一体何を考えているのか。腹の中を読んでやろうとその背中をじっと見つめて付いて歩いた。

 

 

……桂さん,あいつ本気で三津を口説きにかかりますよ。」

 

 

吉田には分かった。この前のサヤからの助言,桂のように甘く囁くを実行する気だ。

 

 

『馬鹿だなあいつ。それでお前が桂さんみたいになれる訳ねぇだろうに。』

 

 

そんな幼稚な作戦に三津は引っかからないと思ってはいるが,高杉が本気だと言う事が気がかりだ。

 

 

「さっさと帰ってくれないかねぇ……。」

 

 

こっちだって三津を目の届く所に置いておきたいのに,三日もそうやって二人の時間をつくる気なのは腹立たしい。

だが帰ってから投獄されるのだから,思い出作りとして目を瞑ってやるかと桂は自分を納得させた。

 

 

『あとは三津が上手くあしらってくれたら問題はない。』

 

 

ただ三津の方が情に流されて何か変な事を言い出さないかは心配だった。

 

 

『どこにも行かないと言っていたんだ。』

 

 

三津の言葉を信じよう。そう思うが最近妙な胸騒ぎがして落ち着かないんだ。サヤから指示をもらって仕事を始めた三津だが,普段女中業などしない高杉がついてくるんじゃ捗るどころか邪魔されるだけな気がしてならない。

 

 

仕事を増やされるのは御免だ。ここは新人女中を育てるつもりで高杉に指導する事にした。

 

 

「あー駄目ですよ!力任せに絞り過ぎです。布傷んじゃいます!」

 

 

「え?こ……こうか?」

 

 

「んーそれは絞りが甘いですねぇ。ほら水垂れちゃう。」

 

 

「これでどうや!」

 

 

「凄い!上手ですー!」

 

 

たった一枚の洗濯物の水を絞っただけで三津に手を叩いて褒められる。

高杉はにんまりと笑って胸を張った。

 

 

「高杉さんは本当に三津さん好きになっちゃったんですね。」

 

 

二人の邪魔をしないように少し離れた所からアヤメは楽しそうな高杉を見ていた。

 

 

「桂様も苦労が絶えへんわ。」

 

 

サヤはくすくす笑いながら今まで多くの女子を泣かせてきた罰かもねと呟いた。

 

 

三津と高杉は洗濯の後,屋敷内の部屋の掃除をして回った。

 

 

「いつもこんな大変なんか……。それやのに追い回してごめん……。」

 

 

「分かっていただけましたか。」

 

 

慣れない事なんかするもんじゃないと疲労感を顕にする高杉に,これが終わったら一旦休憩しましょうと三津は笑った。

 

 

掃除を済ませた二人は湯呑みを手に庭に面した縁側に並んで腰をかけた。

 

 

「こんだけ働いてまだ昼にもなっちょらんのか……。」

 

 

いつもの勢いは皆無。背中を丸めてすっかり意気消沈した高杉を三津は笑った。

 

 

「だから高杉さんが外で懸命に動いてる間にもそれを支える為に動いてる人がおるの忘れんとって下さいね。」

 

 

三津の言葉に高杉は大きく頷いた。そして改めて三津の方へ向き直った。

 

 

「俺は三津さんに支えになってもらいたい。じゃけぇ俺と一緒に来てくれんか。」

 

 

真剣な目で見つめられるとちょっと胸が苦しいがはっきり伝えなければならない。

三津は眉を垂れ下げてちゃんと向き合った。

 

 

 

「ごめんなさい。それは出来ません。私の支えは小五郎さんなんです。だから私は小五郎さんから離れたくはありません。」

 

 

「何で桂さんやないといけんそ?

俺も三津さん支える。確かに傍にずっとはおれん。無茶ばっかで苦労かける。

やけど俺と一緒になって良かったって思わせる自信もある。」

 

 

退く気はないと真っ直ぐに伝えた。

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